6 虐待の防止のための措置(自治体の実地指導の主な指導・指摘事項の事例)
(1)現状・課題事項
1)虐待防止に係るマニュアルが整備されていない。
2)一部の従業者にしか虐待防止に係る研修が実施されていない。
3)市町村への通報が必ず管理者を経由するフローとなっている。
4)やむを得ず身体拘束を行う場合の手続きが適切に行われていない。
(2)指導事項
1)虐待防止に係る研修は、定期的に行うこと。過去に虐待防止に関する研修を実施していたとしても、その後人事異動や新規雇用により、従業者の入れ替えがあることが当然予想される。
また、法改正や新規利用者の受け入れ等、事業所を取り巻く環境が変化することも考えられので、年に1 回以上は全ての従業者を対象として実施することをおすすめする。
2)虐待を受けたと思われる障害者を発見した場合には、速やかに市町村に通報する義務が全従業者にある。通報する義務については、明らかに虐待を受けた場面を目撃した場合だけでなく、虐待を受けたのではないかと疑いを持った場合(事実が確認できない場合)についても同様である。
事業所が使用しているマニュアルにおいて、管理者や施設長を必ず経由してから市 町村に報告する流れとなっていることがある、発見者から直接市町村に通報することも可能であることを追記するとともに、従業者に対して改めて周知徹底を行うこと。
3)厚生労働省から虐待防止に係る「手引き」が発出されている。事業所に常備し、研修の際などに活用すること。
4)やむを得ず身体拘束を行う場合は、組織による決定と個別支援計画への記載、本人・家族への十分な説明、必要な事項の記録などの、適切な手続きが必要となる。詳しくは上述の「手引き」を参考に、適切な手続きを行うこと。