第2節  障害者サービスの令和3年4月改定による報酬基準の概観

 

I 介護給付について

 

1 居宅介護について(令和3年4月改定による報酬基準の概観)

 

居宅介護(障法第5条第2項)の令和3年4月改定による報酬基準の概略は、以下のとおりとされています。

 

1−1 報酬単価(令和3年4月~)

 

(1)基本報酬

<基本報酬単位1-28単位増のプラス>

1)基本報酬単位

i) 身体介護中心、通院等介助(身体介護有り)

a) 255単位(30分未満)∼833単位(3時間未満)

b) 3時間以降、30分を増す毎に、916 単位に83単位加算

ii) 家事援助中心

a) 105単位(30分未満)∼274単位(1.5時間未満)

b) 1.5時間以降、15分を増す毎に、309単位に35単位加算

iii)通院等介助(身体介護なし)

a) 105単位(30分未満)∼274単位(1.5時間未満)

b) 1.5時間以降、30分を増す毎に、343単位に69単位加算

iv)通院等乗降介助:1回101単位

 

(2)加算と減算

 

1)加算

 

1−1)重度訪問介護研修修了者による場合の加算

<加算単位1−2単位増のプラス>

i)加算単位

・1時間未満:185単位

・1時間以上 1時間30分 未満:275単位

・1時間30分以上 2時間未満:367単位

・2時間以上 2時間30分未満:458単位

・2時間30分以上 3時間未満:550単位

・3時間以上:635単位に30 分を増すごとに +86単位

ii)要件:

a)身体介護中心、通院等介助(身体介護有り)の者のみ

 

1−2)地域生活支援拠点等に係る加算 (訪問系サービス等)

<加算項目増・加算単位50単位増のプラス>

i)緊急時における対応機能強化としての訪問系サービス等の地域生活支援拠

点等に係る加算

ii)障害者の重度化・高齢化や親亡き後を支えるための地域生活支援拠点等と

しての居宅介護事業所等について、緊急対応の役割を担う評価の加算を創設

iii) 訪問系サービス等の地域生活支援拠点等に係る加算とは、緊急時対応加算

算定を行い、地域生活支援拠点等の場合

a)地域生活支援拠点等の場合とは、地域生活支援拠点等の機能を担うとし

て市町村が登録認定した事業所

iv) 加算単位

a)緊急時対応加算1回につき100単位加算の算定時に、地域生活支援拠点等

の事業所として、新設分として、更に+50単位を上乗せ。

ア)緊急時の対応を行った場合にのみ加算(月2回を限度)

イ)身体介護中心、通院等介助(身体介護有り)の者のみ

 

1−3)特定事業所加算

<要件内容拡張のプラス>

i)要件

  1. a) 障害福祉現場の業務効率化のためのICT活用

ア)訪問系サービスについて、利用者に関する情報若しくはサービスの提供

に当たっての留意事項の伝達又は事業所における技術指導を目的とした会

議について、テレビ電話装置等を活用して行うことが可能に。

 

1−4)処遇改善加算

 

1−4−1)福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)

<加算率1.1-2.8%減のマイナス>

i)加算単位

イ (I) 所定単位数 ×加算率27.4%

ロ (II) 所定単位数 ×加算率20.0%

ハ (III) 所定単位数 ×加算率11.1%

ii)要件

a)福祉・介護職員数

ア)障害福祉サービス等経営実態調査における従事者数及び報酬請求事業所

数を使用。

b)加算率

ア)類似する複数のサービスをグループ分けした上で加算率を設定。

イ)大幅変更による影響緩和の観点から、今回及び今後の報酬改定において

段階的に反映。

c)算定要件の一つの「職場環境等要件」

ア)事業者による職場環境改善の取組をより実効性の高いものとする観点か

らの見直し。

α)職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取組がより促進さ

れるように見直しを実施。

・職員の新規採用や定着促進に資する取組

・職員のキャリアアップに資する取組

・両立支援・多様な働き方の推進に資する取組

・生産性の向上につながる取組

・腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取組

・仕事へのやりがい

・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継

続に資する取組

イ)職場環境等要件に基づく取組の実施について、原則、当該年度における

取組の実施を要請。

 

1−4−2)福祉・介護職員等特定処遇改善加算

<加算率0.3-0.4%減のマイナス>

i)加算単位

イ (I) 所定単位数×加算率7.0%

ロ (II) 所定単位数×加算率5.5%

ii)要件

a)更なる取得促進

ア)リーダー級の職員について、他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りな

がら、福祉・介護職員の更なる処遇改善を行うとの趣旨は維持した上で、

加算の更なる取得促進を企図。

b)配分ルール

ア)平均の賃金改善額の配分ルールについて、より柔軟な配分を可能とする

よう 「経験・技能のある障害福祉人材」は「他の障害福祉人材」の「2倍

以上とすること」とするルールについて、「より高くすること」へ見直し。

ア-1)小規模事業者を含め事業者がより活用し易い仕組みとする観点から

c)加算率

ア)福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)と同様、類似する複数のサービスをグ

ループ分けした上で加算率を設定。

d)算定要件の一つの「職場環境等要件」

ア)福祉・介護職員処遇改善加算と同様、事業者による職場環境改善の取組

をより実効性の高いものとする観点からの見直し。

 

1−4−3)福祉・介護職員処遇改善加算(IV)-(V)及び

福祉・介護職員処遇改善特別加算

<加算項目減のマイナス>

i)廃止

ii)令和2年度から継続して算定する場合のみ令和4年3月サービス提供分

まで算定が可能に。

a)上位区分の算定が進んでいるため。