生活介護について(令和3年4月改定による報酬基準の概観)

生活介護(障法第5条第7項) の令和3年4月改定による報酬基準の概略は、以下のとおりとされています。

 

6−1 報酬単価(令和3年4月~)

 

(1)基本報酬

<基本報酬単位4—20単位減のマイナス>

1)基本報酬単位

i) 基本単位数は、事業者ごとに利用者の、利用定員の合計数及び障害支援

区分に応じ所定単位数を算定

ii)定員21人以上40人以下の場合

a)区分6:1147単位/日  b)区分5:853単位/日  c)区分4:585単位/日

d)区分3:524単位/日  e)区分2以下(未判定の者を含む):476単位/日

 

(2)加算と減算

 

1)加算

 

1−1)常勤看護職員等加配加算(III)

<加算項目増・加算単位単位増のプラス>

 

i)加算単位

a)常勤看護職員等加配加算(III)

:看護職員が常勤換算で3人以上配置の場合のみ

ア)利用定員が20人以下:84単位/日

イ)利用定員が21人以上40人以下:57単位/日

ウ)利用定員が41人以上60人以下:33単位/日

エ)利用定員が61人以上80人以下:24単位/日

オ)利用定員が81人以上:18単位/日

 

ii)常勤看護職員等配置加算の拡充

a)常勤換算で看護職員を3人以上配置し、新判定スコアの各項目に規定する状態のいずれかに該当する利用者を2名以上受け入れている事業所についての評価区分を創設。

 

iii)新判定スコア項目:

1 人工呼吸器(非侵襲的陽圧換気療法、NPPV、ネイザルハイフロー、パーカッションベンチレーター、排痰補助装置、高頻度胸壁振動装置を含む)

2 気管切開

3 鼻咽頭エアウェイ

4 酸素療法

5 吸引(口鼻腔・気管内吸引)

6 利用時間中のネブライザー使用・薬液吸入

7 経管栄養(経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻、食道瘻、経鼻胃管、胃瘻、持続経管注入ポンプ使用)

8 中心静脈カテーテル(中心静脈栄養、肺高血圧症治療薬、麻薬など)

9 その他の注射管理(皮下注射(インスリン、麻薬など)、持続皮下注射ポンプ使用)

10 血糖測定(利用時間中の観血的血糖測定器、埋め込み式血糖測定器による血糖測定)

11 継続する透析(血液透析、腹膜透析を含む)

12 排尿管理(利用時間中の間欠的導尿、持続的導尿(尿道留置カテ-テル、膀胱瘻、腎瘻、尿路ストーマ)

13 排便管理(消化管ストーマ、利用時間中の摘便・洗腸、利用時間中の浣腸)

14 痙攣時の管理(坐剤挿入、吸引、酸素投与、迷走神経刺激装置の作動など)

 

1−2)重度障害者支援加算

<加算要件の緩和と拡張・加算項目増のプラス>

 

1−2−1)重症心身障害者全般について

 

i)加算単位

イ 重度障害者支援加算(I):50単位/日

ロ 重度障害者支援加算(II)

(一)体制を整えた場合:7単位/日

(二)支援を行った場合:180単位/日

※ (二)について、加算の算定を開始した日から起算して

180日以内は+500単位/日

 

ii)重度障害者支援加算の見直し評価

a)「重症心身障害者を支援している場合」に算定可能となる区分を創設し、人

員配置体制加算と常勤看護職員等配置加算に上乗せする形で評価。

b)指定障害者支援施設等が施設入所者に指定生活介護等の提供を行った場合は

重度障害者支援加算を非算定。

 

iii)重度障害者支援加算(I)について

  1. 利用者1人1日につき50単位数を加算
  2. b) 具体的には以下の場合に重症心身障害者の受入として評価。

ア)人員配置体制加算(I) (直接処遇職員を1.7:1以上配置)及び常勤看護職

員等配置加算(III) (常勤換算で看護職員を3人以上配置)を算定してい

る指定生活介護事業所等

イ)重症心身障害者が2人以上利用しているものとして都道府県知事又は市町

村長に届け出た指定生活介護等の単位において、指定生活介護等を提供

 

  1. iv) 重度障害者支援加算(II) について

a)(一)体制を整えた場合—利用者1人1日につき7単位数を加算

b)(二)支援を行った場合—利用者1人1日につき180単位数を加算

  1. c) (二)について、加算の算定を開始した日から起算して180日以内は利用者1

人1日につき、更に500単位を加算。

d)別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして都道府県知

事又は市町村長に届け出た指定生活介護事業所等において、指定生活介護等

の提供を行った場合に、1日につき所定単位数を加算。

 

1−2−2)強度行動障害者について

 

i)強度行動障害者の加算算定期間の延長及び加算の単位数の見直し

  1. a) 強度行動障害を有する者に対して個別の支援を行う場合の、利用者の状態

確認や利用者が環境の変化に適応するためのアセスメント期間を一定程度見

直し、加算算定期間の延長及び加算の単位数の見直し。

ア)算定期間:(現行) 90日 →(改正後) 180日

イ)単位数: (現行)700単位 →(改正後)500単位

 

ii)強度行動障害者の生活介護通所利用者への加算算定可能

a)強度行動障害者が生活介護の通所利用者(施設入所支援以外)でかつ、生 活

介護通所サービスを提供の障害者支援施設が当該利用者の支援計画を作成

し、当該計画に基づいて支援を行った場合

ア)強度行動障害支援者養成研修(実践研修)修了者を1人以上配置し、支援計

画を作成する体制を整備:7単位/日

イ)強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者が、実践研修修了者の作成

した支援計画シート等に基づき、強度行動障害を有する者に対して個別の支

援を実施:180単位/日

 

1−3)地域生活支援拠点等に係る加算(短期入所のみ)

<加算項目増・加算単位100単位増のプラス>

i) 加算単位

  1. a) 指定短期入所のサービス利用開始日に、利用者全員について、利用開始

日の1日につき100単位を加算。

ア)緊急時の対応を行った場合だけでなく、緊急時の受入に限らず加算

ii)緊急時のための受入機能強化としての短期入所のみの地域生活支援拠点等

 

に係る加算

iii)障害者の重度化・高齢化や親亡き後を支えるための地域生活支援拠点等と

しての事業所等について、緊急時の受入対応等の役割を担う評価加算を創設

iv) 短期入所の地域生活支援拠点等に係る加算とは、緊急時の受入に限らず、

地域生活支援拠点等の場合

a)地域生活支援拠点等の場合とは、地域生活支援拠点等の機能を担うとして

市町村が登録認定した事業所

 

1−4)リハビリテーション加算

<要件内容拡張のプラス>

  1. i) 障害福祉現場の業務効率化のためのICT活用

a)リハビリテーション実施計画の作成や支援終了時に医師、理学療法士、作

業療法士、言語聴覚士、その他の職種の者で行われるリハビリテーションカ

ンファレンスについて、テレビ電話装置等を活用して行うことが可能に。

 

2−3)処遇改善加算

 

2−3−1)福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)

<加算率2.6-6.4%増のプラス>

i)加算単位

イ (I) 所定単位数 × 8.9%

ロ (II) 所定単位数 × 6.5%

ハ (III) 所定単位数 × 3.6%

ii)要件

a)福祉・介護職員数、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」

ア)諸条件については、居宅介護と同様。

 

2−5)福祉・介護職員等特定処遇改善加算

<加算率3.6%増のプラス>

i)加算単位

・所定単位数× 6.1%

ii)要件

a)更なる取得促進、配分ルール、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」

ア)諸条件については、居宅介護と同様。