3 就労移行支援について(令和3年4月改定による報酬基準の概観)

 

就労移行支援(障法第5条第13項) の令和3年4月改定による報酬基準の概略は、以下のとおりとされています。

 

3−1 報酬単価(令和3年4月~)

<令和3年報酬改定以降、定員規模別に加え、前年度及び前々年度におい

て就職後6か月以上定着した割合が高いほど高い基本報酬>

(1)基本報酬

1−1)基本報酬単位

<基本報酬単位:1−34単位増のプラスと10-34単位減のマイナス>

i)定員20人以下の場合

イ 就労移行支援サービス費(I)

(一) 就職後6月以上定着率が5割以上:1128単位/日

(三) 就職後6月以上定着率が3割以上4割未満:820単位/日

(四) 就職後6月以上定着率が2割以上3割未満:690単位/日

(五) 就職後6月以上定着率が1割以上2割未満:557単位/日

(六) 就職後6月以上定着率が0割超1割未満:507単位/日

(七) 就職後6月以上定着率が0:468単位/日 

 

1−2)基本報酬及び報酬区分の決定に係る実績の算定方法の見直し評価

i)一般就労の高い移行実績の事業所について、基本報酬において更に評価。

ii)「前年度において就職後6か月以上定着した者の割合(就労定着 率)」としている基本報酬の区分の決定に係る実績について、標準利用期間が2年間であることから、直近2か年度の実績により算定。

※ あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師の学校又は養成施設と

しての認定就労移行支援事業所については、従前と同様に前年度の実績により算定。

 

1−3)新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた実績の算出

i)令和3年度の報酬算定に係る実績の算出については、令和元年度又は令和2年度の実績を未使用でもよいなども可能(就労継続支援は平成30年度実績の使用可能)

ii)評価年度

a)次のいずれかの年度の実績で評価

(I)令和元年度及び令和2年度 (II)平成30年度及び令和元年度

 

(2)加算と減算

 

1)加算

 

1−1)医療連携体制加算

<加算要件拡張・加算項目増・加算単位数拡充・加算単位増のプラス>

i)加算単位

イ 医療連携体制加算(I) 32単位/日(非医療的ケア、1時間未満)

ロ 医療連携体制加算(II) 63単位/日(非医療的ケア、1時間以上2時間未満)

ハ 医療連携体制加算(III) 125単位/日(非医療的ケア、2時間以上)

二 医療連携体制加算(IV)(4時間未満)

(1) 800単位/日(医療的ケア1人)

(2) 500単位/日(医療的ケア2人)

(3) 400単位/日(医療的ケア3~8人)

ホ 医療連携体制加算(V) 500単位/日

ヘ 医療連携体制加算(VI)100単位/日

  1. ii) 医療連携体制加算の算定要件や報酬単価の見直し

a)要件については、自立訓練(生活訓練)と同様。

 

1−2)支援計画会議実施加算

<加算要件・加算単位数のプラス>

i)加算単位

a)支援計画会議実施加算:1回につき583単位を加算

ii)アセスメントの質を高めるための取組評価

a)障害者本人の希望や適性・能力を的確に把握・評価を行うアセスメントについて、地域のノウハウを活用し、その精度を上げ、支援効果を高めてい くための取組として、本人や他の支援機関等を交えたケース会議等を実施した事業所を評価するための加算を創設。

iii)要件

a)各利用者の就労移行支援計画の作成又は見直しに当たって、外部の関係者を 交えた会議を開催し、関係者の専門的な見地からの意見を求め、就労移行支援計 画の作成、変更その他必要な便宜の提供について検討を行った場合に、1月に1 回(年4回を限度)、所定単位数を加算。

 

1−2)処遇改善加算

 

1−2−1)福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)

<加算率0.1-0.3%減のマイナス>

i)加算単位

イ(I)所定単位数 × 6.4%

ロ(II)所定単位数 × 4.7%

ハ(III)所定単位数× 2.6%

ii)要件

a)福祉・介護職員数、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」

ア)諸条件については、居宅介護と同様。

 

1−2−2)福祉・介護職員等特定処遇改善加算

<加算率0.2-0.3%減のマイナス>

i)加算単位

イ(I)所定単位数× 1.7%

ロ(II)所定単位数× 1.5%

ii)要件

a)更なる取得促進、配分ルール、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」

ア)諸条件については、居宅介護と同様。

 

1−2−3)福祉・介護職員処遇改善加算(IV)-(V)及び

福祉・介護職員処遇改善特別加算

<加算項目減のマイナス>

i)廃止

a)諸条件については、居宅介護と同様。

 

2)減算

 

2−1)身体拘束廃止未実施減算・要件追加分

<減算項目増・減算単位増のマイナス>

i)減算単位

a) 1人1日につき5単位を減算(令和5年4月から適用)

ii)その他諸条件については療養介護と同様。

 

(2)組織経営への影響

 

1)正の影響

a) 医療連携体制加算、支援計画会議実施加算、

福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)、

福祉・介護職員等特定処遇改善加算

 

2)負の影響

a)福祉・介護職員処遇改善加算(IV)-(V)、福祉・介護職員処遇改

善特別加算、身体拘束廃止未実施減算・要件追加分

 

3)影響不明

a)基本報酬