3 放課後等デイサービスについて(令和3年4月改定による報酬基準の概観)②
(2)加算と減算
1)加算
1−1)個別サポート加算I
<加算項目増・加算単位増のプラス>
i)加算単位
- a) 個別サポート加算I:100単位/日
ii)ケアニーズの高い児童(著しく重度および行動上の課題のある児童)への支援を評価
- a) 著しく重度及び行動上の課題のあるケアニーズの高い障害児への支援を充実させる観点から、放課後等デイサービスは指標該当児の判定スコアを用いて判定した結果、一定の要件に該当する障害児を受け入れたことを評価する加算を創設
iii) 放課後等デイサービスについて、現行の事業所を2区分に分けて報酬設定する方法を改め、より手厚い支援を必要とする子どもに応じて、きめ細かく加算を算定。
1−2)個別サポート加算II
<加算項目増・加算単位増のプラス>
i)加算単位
- a) 個別サポート加算(II): 125単位/日
ii)虐待等の要保護児童等への支援について評価
a)虐待等の要保護・要支援児童を受け入れた場合に、家庭との関わりや、心理的に不安定な児童へのケア、支援に必要な関係機関との連携が必要となることを考慮し、児童相談所や子育て世代包括支援センター等の公的機関や、要保護児童対策地域協議会、医師との連携(事業所からの報告に基づく経過観察の依頼を含む)により、児童発達支援等を行う必要のある児 童を受け入れて支援することを評価する加算を創設。
iii) 放課後等デイサービスについて、現行の事業所を2区分に分けて報酬設定する方法を改め、より手厚い支援を必要とする子どもに応じて、きめ細かく加算を算定。
1−3)児童指導員等加配加算(I)
<加算要件拡張のプラス、
加算単位数0-△74減及び加算項目減のマイナス>
i)加算単位
イ 放課後等デイサービス:36単位-187単位/日
ロ 放課後等デイサービス(重症心身障害児): 60単位-374単位/日
ii)児童指導員等加配加算の単位数については、経営状況を踏まえ見直し。
- a) 児童指導員等加配加算(I)の報酬単価の見直しと児童指導員等加配加算(II)の廃止
iii)難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士及び手話通訳者を追加。
1−4)専門的支援加算
<加算項目・加算単位増のプラス>
i)加算単位
イ 放課後等デイサービス:75単位-187単位/日
ロ 放課後等デイサービス(重症心身障害児):125単位-374単位/日
ii)専門的支援を必要とする児童のため専門職の配置を評価
- a) 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者、5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員を常勤換算で1以上配置した場合に評価
iii)支援の質を向上させる観点から、専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理指導担当職員・国立障害者リハビリテーションセンター視覚障害学科履修者)を1名以上加配(常勤換算による算定)して行う支援を評価する加算を創設。
- iv) 放課後等デイサービスについて、現行の事業所を2区分に分けて報酬設定する方法を改め、より手厚い支援を必要とする子どもに応じて、きめ細かく加算を算定。
1−5)家庭連携加算
<加算項目・加算単位増のプラス、加算項目減のマイナス>
i)加算単位
a)家庭連携加算:月4回を限度
イ 1時間未満:187単位/回
ロ 1時間以上: 280単位/回
- ii) 家族支援の充実を図るため、訪問支援特別加算を家庭連携加算に統合した上で、要件を見直し。
1−6)事業所内相談支援加算
<加算項目・加算単位増のプラス>
i)加算単位
a) 事業所内相談支援加算:I、IIそれぞれ月1回を限度
イ 事業所内相談支援加算(I)(個別):100単位/回
ロ 事業所内相談支援加算(II)(グループ):80単位/回
ii)個別の相談援助だけではなくグループ での面談等も算定可能とするなどを見直し。
1−7)看護職員加配加算
<加算要件拡張のプラス>
i)加算単位
イ 看護職員加配加算(I):133-400単位/日
ロ 看護職員加配加算(II) :266-800単位/日
ii)看護職員加配加算要件の見直し緩和
a)看護職員加配加算の算定要件について、医療的ケア児に係る判定基準を用いることとし、実態に即して見直し。
b) 重心事業所の看護職員加配加算の要件を、「8点以上の医療的ケア児5人以上」から、8点以上の児に限らずに「その事業所の医療的ケア児の合計点数40点以上」に見直し緩和。
iii)主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の事業所
a)医療的ケアを行うために必要な看護職員の配置の費用を含んだ医療的ケア児の基本報酬区分を創設することから、看護職員加配加算は廃止。
iv)主として重症心身障害児を通わせる事業所
a)看護職員加配加算(I) 【看護職員1人分の加算】
ア)医療的ケア児の新判定基準のスコアに前年度の出席率(利用日数/ 開所日数)を掛けた点数の医療的ケア児全員の合計点数が40点以上になること。
b)看護職員加配加算(II) 【看護職員2人分の加算】
ア)医療的ケア児の新判定基準のスコアに前年度の出席率(利用日数/ 開所日数)を掛けた点数の医療的ケア児全員の合計点数が72点以上になること。
1−8)欠席時対応加算(II)
<加算項目・加算単位増のプラス>
i)加算単位
a)欠席時対応加算(II):94単位/回
※急病等により、サービス提供時間が30分以内となった場合
ii)極端な短時間のサービス提供の取扱い
a)極端な短時間(30分以下)のサービス提供については報酬(基本報酬及
び加算)を算定しないこと。
b)ただし、放課後等デイサービス計画に基づき、徐々に在所時間数を延ば
す必要性を市町村が認めた就学児については、この限りではない。
c)また、 利用児童の体調不良などにより、結果的に短時間(30分以下)のサービス提供となった場合は、新設の欠席時対応加算(II)の算定を可能に。
1−9)医療連携体制加算
<加算要件拡張・加算項目増・加算単位数拡充・加算単位増のプラス>
i)加算単位
イ 医療連携体制加算(I) 32単位/日(非医療的ケア、1時間未満)
ロ 医療連携体制加算(II) 63単位/日(非医療的ケア、1時間以上2時間未満)
ハ 医療連携体制加算(III) 125単位/日(非医療的ケア、2時間以上)
二 医療連携体制加算(IV)(4時間未満)
(1) 960単位/日(医療的ケア1人)
(2) 600単位/日(医療的ケア2人)
(3) 480単位/日(医療的ケア3~8人)
ホ 医療連携体制加算(V)(4時間以上)
(1) 1,600単位/日(医療的ケア1人)
(2) 960単位/日(医療的ケア2人)
(3) 800単位/日(医療的ケア3~8人)
ヘ 医療連携体制加算(VI)(8時間以上)
(1) 2,000単位/日(高度な医療的ケア(※)1人)
(2) 1,500単位/日(高度な医療的ケア(※)2人)
(3) 1,000単位/日(高度な医療的ケア(※)3人)
(※)医療的ケアの判定スコアが16点以上の障害児者
ト 医療連携体制加算(VII) 500単位/日
チ 医療連携体制加算(VIII) 100単位/日
- ii) 医療連携体制加算の算定要件や報酬単価の見直し
a)従来、看護の濃度に関わらず一律単価であった加算額について、医ケアと非医ケアを内容により分類するとともに、医療的ケアの単価を充実させ、非医療的ケア(健康観察等)の単価を適正化。
b)複数利用者対象の健康観察等の非医療的ケアに短時間区分を創設。
iii) 1事業所当たりごく少人数の医ケア児の場合(基本報酬では採算が取りづらい)であっても幅広い事業所で受入れが進むよう、従来の看護職員加配加算を改組し「医療連携体制加算」の単価を大幅に拡充。
1−10)関係機関連携加算
<加算要件拡張のプラス>
i)加算単位
イ 関係機関連携加算(I) :200単位/日
ロ 関係機関連携加算(II) :200単位/日
ii)障害児が通う保育所その他関係機関との連携を図るための、当該障害児に係
る児童発達支援計画に関する会議
iii)障害福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用
a)障害福祉現場の業務効率化を図るため、下記の運営基準や報酬算定上必要となる委員会等、身体的接触を伴わない又は必ずしも対面で提供する必要のない支援について、テレビ電話装置等を用いた支援が可能であることを明確化。
1−11)処遇改善加算
1−11−1)福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)
<加算率0.1-0.3%増のプラス>
i)加算単位
イ(I)所定単位数× 8.4%
ロ(II)所定単位数× 6.1%
ハ(III)所定単位数× 3.4%
ii)要件
a)福祉・介護職員数、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」
ア)諸条件については、居宅介護と同様。
1−11−2)福祉・介護職員等特定処遇改善加算
<加算率0.5-0.6%増のプラス>
i)加算単位
イ(I)所定単位数× 1.3%
ロ(II)所定単位数× 1.0%
ii)要件
a)更なる取得促進、配分ルール、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」
ア)諸条件については、居宅介護と同様。
1−11−3)福祉・介護職員処遇改善加算(IV)-(V)及び
福祉・介護職員処遇改善特別加算
<加算項目減のマイナス>
i)廃止
a)諸条件については、居宅介護と同様。