2 医療型障害児入所施設について(令和3年4月改定による報酬基準の概観)②
(2)加算と減算
1)加算
1−1)ソーシャルワーカー配置加算
<加算要件・加算単位数のプラス>
i)加算単位
a) ソーシャルワーカー配置加算: 40単位/日
ii)ソーシャルワーカーを配置した場合の報酬上の評価
a) 地域移行に向けた支援として、障害者支援施設への入所の際や退所して地域へ移行する際に家庭や地域と連携した支援を専門に行うソーシャルワーカー(1)社会福祉士、2)障害福祉サービス事業、障害児通所支援又は障害児入所支援に5年以上従事した経験を有する者)を専任で配置することを評価。
iii)主な役割
a)入所児童が18歳になり退所して地域のグループホーム等に移行していくため、地域の様々な社会資源等と有機的に結びつけ。
b)障害児について里親やファミリーホームの施策の活用による家庭的な養育環境を推進。
1−2)重度障害児支援加算
<加算要件拡張のプラス>
i)加算単位
a) 重度障害児支援加算:1日につき +111単位
ii)重度障害児支援加算と小規模グループケア加算の整理
a)重度障害児支援加算について、ケアの小規模化を進めることを前提とし
た施設要件とはなっていないことから、小規模グループケアに対応した施 設要件となるような見直しに。
iii)要件
a) 1)重度障害児専用棟の設置、2)重度障害児入所棟の定員をおおむね20人、3)居室については1階に設けること等の施設基準を満たし、一定の要件に該当する障害児を支援した場合に算定。
b)ただし、小規模グループケア加算を算定している場合は、1)と2)の基準を満たさなくても算定できるものに。
- c) 3)の基準は、重度障害児者の火災時等の安全確保の観点から、小規模グ ループケアを実施する場合であっても満たすことを求めることに。
1−3)強度行動障害児特別支援加算
<加算要件・加算単位数のプラス>
i)加算単位
a) 強度行動障害児特別支援加算: 1日につき +781単位
*加算の算定を開始した日から起算して90日以内は更に+700単位を上乗せ
ii)強度行動障害児の支援の評価
a)強度行動障害児の支援について、医療的アプローチとともに、入所児童の発達保障の観点から環境調整をはじめとした福祉的アプローチの必要性があることから、福祉的支援の強化の観点より、強度行動障害児特別支援加算を医療型障害児入所施設においても算定できるように見直し。
1−4)小規模グループケア加算
<加算要件拡張のプラス>
i)加算単位
a) 小規模グループケア加算:240単位/日
ii)小規模グループケアの推進
a) 医療型障害児入所施設における小規模グループケアの推進を図る観点から、小規模グループケア加算の算定要件を見直し(一定の要件を満たした 場合に、台所・便所の設置を不要とすることを可能に)。
b)設備については、小規模グループケアの各単位において、居室、居間・食堂等入所している障害児が相互に交流できる場所、その他生活に必要な台所、浴室、便所等を有していること。(ただし、以下の(1)から(3)までに掲げる設備の区分に応じ、当該(1)から(3)までに定める場合、それぞれ当該設備を設けないことが可能に。)
(1) 台所: 利用者の障害の特性から、小規模グループケアの単位内で調理 することが困難であって、敷地内にある他の建物の設備で調理 することが適当な場合
(2) 浴室: 当該小規模グループケアの単位と同一の敷地内にある他の建 物の設備を使用することができる場合
(3) 便所: 利用者の障害の特性から、当該小規模グループケアの単位に設 置する必要がない場合
1−5)重度重複障害児加算
<加算要件拡張のプラス>
i)加算単位
a) 重度重複障害児加算:1日につき +111単位
ii)重度重複障害児加算の見直し
a) 主に肢体不自由児を対象としている医療型障害児入所施設に入所している重症心身障害周辺児への支援の困難性を勘案し、当該施設での重度重複 障害児加算について、複数(2以上)の障害を有する障害児を支援した場合にも評価できるよう算定要件を見直し。
b)視覚障害、聴覚若しくは平衡機能の障害、音声機能、言語機能若しくはそしゃく機能の障害、肢体不自由、内部障害、知的障害又は精神障害のうち2 以上の障害を有する児童に支援を提供。
1−6)重度障害児支援加算
<加算要件拡張のプラス>
i)加算単位
a) 重度障害児支援加算:1日につき +111単位
ii)重度障害児支援加算と小規模グループケア加算の整理
a)重度障害児支援加算について、ケアの小規模化を進めることを前提とし
た施設要件とはなっていないことから、小規模グループケアに対応した施 設要件となるような見直しに。
iii)要件
a) 1)重度障害児専用棟の設置、2)重度障害児入所棟の定員をおおむね20人、3)居室については1階に設けること等の施設基準を満たし、一定の要件に該当する障害児を支援した場合に算定。
b)ただし、小規模グループケア加算を算定している場合は、1)と2)の基準を満たさなくても算定できるものに。
- c) 3)の基準は、重度障害児者の火災時等の安全確保の観点から、小規模グ ループケアを実施する場合であっても満たすことを求めることに。
1−7)自活訓練加算
<加算要件緩和のプラス>
i)加算単位
イ 自活訓練加算(I):337単位/日。当該障害児1人につき360日を限度。
ロ 自活訓練加算(II):448単位/日。当該障害児1人につき360日を限度。
ii)自活訓練加算の見直し
a)退所後を見据えた早い段階からの支援を促進するため、自活訓練加算の
算定要件を見直す。
iii)要件
a)実施時期:高校入学から措置延長も考慮し、20歳までの間で柔軟に設定
b)実施期間:同一の給付決定期間中に12月間(360日)の範囲内で柔軟に設定
c)実施場所:適切に支援を行うことが可能な範囲にある借家等。
1−8)補足給付に係る基準費用
<基準費用増のプラス>
i)補足給付の基準費用額の見直し評価
- a) 補足給付とは
ア)施設入所者の食費や居住に要する費用(食費・光熱水費)については、低所
得者に係る負担を軽減するため、基準費用額(食費・光熱水費に係る平均的な
費用の額)から、所得に応じた負担限度額を控除した差額を「補足給付」 とし
て支給
b)補足給付の基準費用額について、令和2年障害福祉サービス等経営実態調査
結果等を踏まえて見直し評価。
[現 行] 基準費用額 53,500円 → [見直し後]54,000円
1−9)処遇改善加算
1−9−1)福祉・介護職員処遇改善加算(I)-(III)
<加算率1.8-4.4%増のプラス>
i)加算単位
イ(I)所定単位数× 7.9%
ロ(II)所定単位数× 5.8%
ハ(III)所定単位数× 3.2%
ii)要件
a)福祉・介護職員数、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」
ア)諸条件については、居宅介護と同様。
1−9−2)福祉・介護職員等特定処遇改善加算
<加算率1.2-1.3%増のプラス>
i)加算単位
イ(I)所定単位数× 4.3%
ロ(II)所定単位数× 3.9%
ii)要件
a)更なる取得促進、配分ルール、加算率、算定要件の一つ「職場環境等要件」
ア)諸条件については、居宅介護と同様。
1−9−3)福祉・介護職員処遇改善加算(IV)-(V)及び
福祉・介護職員処遇改善特別加算
<加算項目減のマイナス>
i)廃止
a)諸条件については、居宅介護と同様。